ワンショットプロとハビットプロの違いとは?歯科医院専売の洗口液を解説

ワンショットプロとは?ハビットプロとの違いも
歯科医院の受付や洗口コーナーで、「ワンショットプロ」「ハビットプロ」という洗口液を見かけたことはありませんか。どちらも歯科医院専売の洗口液ですが、名前が似ている上に違いがわかりにくく、「結局どちらを使えばいいの?」と迷われる方も多いようです。今回は、この2つの洗口液の特徴と使い分け方についてお話しします。
どちらもCPCという成分が主役
ワンショットプロとハビットプロは、どちらも「CPC(セチルピリジニウム塩化物)」という殺菌成分を配合した洗口液です。CPCは、虫歯菌や歯周病菌など幅広い菌に殺菌効果を示す成分で、唾液中のタンパク質と結合しやすい性質があるため、お口の中に留まりやすいという特徴があります。歯磨きだけでは落としきれない菌の増殖を抑える目的で、歯科医院でのケアの補助として使われています。
ハビットプロの特徴
ハビットプロは、日々の「日常ケア」を目的とした洗口液です。ノンアルコールのため、お子さんやアルコールに敏感な方でも使いやすく、1日10回までを目安に使用できます。刺激が少なく、毎日の歯磨きの延長として無理なく続けられる点が特徴です。
ワンショットプロの特徴
一方のワンショットプロは、「集中ケア」向けに作られた洗口液です。最大の特徴は、1日1回、就寝前の使用だけで24時間効果が持続するように設計されている点です。就寝中は唾液の分泌量が減り、細菌が最も増殖しやすい時間帯になるため、寝る前のケアは効果的なタイミングとされています。界面活性剤を使わず、CPCの働きを高める処方になっており、ハビットプロに比べて殺菌効果が高められています。ただし微量のアルコールを含むため、お子さんや妊娠中・授乳中の方、持病により相談が必要な方には、基本的にノンアルコールのハビットプロをおすすめしています。
どのように使い分けるのか
ハビットプロは1日10回までを目安に使用でき、価格も日常使いしやすい範囲に設定されているため、毎日の歯磨きにプラスするケアとして続けやすい製品です。一方のワンショットプロは殺菌効果が高められている分、価格もハビットプロより高めで、毎日の習慣として使い続けるにはコストの面で負担が大きくなります。そのため、普段のケアとしてはハビットプロを、ここぞという場面でワンショットプロを、という使い分けが基本になります。
ワンショットプロが特に力を発揮するのは、次のような場面です。抜歯やインプラント手術など外科的な処置の前後で、感染のリスクを一時的にでも下げておきたいとき。手先の細かい動きが難しく、フロスや歯間ブラシを使ったケアが十分にできない方。何らかの事情でどうしてもブラッシングやフロッシングそのものが難しい方。こうしたケースでは、1日1回の使用で高い殺菌効果が24時間持続するワンショットプロが、セルフケアを補う有効な手段になります。逆に、歯磨きやフロスを問題なく行えている方が日常的に使うのであれば、ハビットプロで十分なことがほとんどです。
使用上の注意点
どちらの製品も、決められた使用回数(ワンショットプロは1日1回、ハビットプロは1日10回まで)や使用時間の目安を大きく超えて使い続けると、お口の中の常在菌のバランスが乱れ、舌が黒っぽくなる「黒毛舌」という状態が起こることがあります。使用を中断すれば自然に治まりますが、気になる症状が出た場合は使用を控え、歯科医院にご相談ください。
また、ワンショットプロには微量のアルコールが含まれているため、使用後にピリッとした刺激を感じる方もいらっしゃいます。刺激が気になる場合や、口腔内が乾燥しやすい方には、ノンアルコールのハビットプロのほうが続けやすいこともあります。どちらも決められた使用時間(20~30秒程度)を目安にすすいでいただくことで、成分が過不足なくお口全体に行き渡ります。
市販の洗口液とは何が違うのか
ドラッグストアなどで購入できる一般的な洗口液と比べて、ワンショットプロ・ハビットプロは歯科医院でのみ取り扱われる専売品です。CPCの配合濃度や処方が歯科的な視点で設計されており、歯周病治療中の方やインプラント治療前後など、より高い殺菌効果が求められる場面を想定して作られています。市販品よりもピンポイントな目的に応じた使い分けがしやすいという点が、専売品ならではの特徴と言えます。
洗口液はあくまで補助的なケア
ここで注意していただきたいのは、ワンショットプロもハビットプロも、歯ブラシによる歯磨きの代わりにはならないという点です。どんなに殺菌効果の高い洗口液を使っても、歯と歯の間や歯茎の境目にたまったプラーク(歯垢)を物理的に取り除くことはできません。洗口液は、歯磨きでは行き届きにくい部分の細菌の増殖を抑える「補助的なケア」として位置づけ、毎日の歯磨きやフロス・歯間ブラシと組み合わせて使うことが大切です。
まとめ
ワンショットプロとハビットプロは、どちらも歯磨きを補う効果的なアイテムですが、使用目的とタイミングが異なります。ご自身のお口の状態に合わせてどちらを使うべきか迷ったときは、次回の受診の際にお気軽にご相談ください。
監修者 鳥居 秀平 医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長
「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。
略歴
- 1994年 日本大学松戸歯学部卒業
- 1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
- 1998年 国立大学 東京科学大学大学 歯学部 文部教官
- 1998年 東京科学大学付属歯科衛生士学校 講師
- 1999年 国立大学法人 東京科学大学大学院医歯学総合研究科
顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官 - 2001年 北野坂鳥居歯科 開業
所属
- 日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
- アジア口腔インプラント学会 認定医
