朝起きて顎がだるい方へ―歯ぎしり・食いしばりとナイトガードによる対策

朝起きると顎がだるい…その原因、歯ぎしり・食いしばりかもしれません
「朝起きたときに顎が疲れている」「頬の内側や舌の縁に歯の跡がついている」といった経験はありませんか。これらは、寝ている間の歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)のサインである可能性があります。自覚のないまま歯や顎に負担をかけ続けている方は少なくありません。今回は、歯ぎしり・食いしばりのリスクと、その対策としてのナイトガードについてご紹介します。
歯ぎしり・食いしばりが起こる理由
はっきりとした原因は一つに特定できないことが多いのですが、ストレスや緊張、噛み合わせのバランス、睡眠の質など、さまざまな要因が関わっていると考えられています。日中に集中しているときや、スマートフォンを見ているときなどに無意識に歯を食いしばっている方もおり、必ずしも夜間だけの現象ではありません。
放っておくとどうなるか
歯ぎしりや食いしばりでは、自分の体重以上の強い力が歯にかかることもあるといわれています。この力が繰り返し加わることで、歯がすり減って知覚過敏を引き起こしたり、歯にひびが入ったり、被せ物や詰め物が欠けたりすることがあります。また、顎の関節や周りの筋肉に負担がかかり、口を開けたときに音が鳴る、顎が痛む、口が開けにくいといった顎関節症の症状につながることもあります。歯ぐきが下がる原因の一つになることも知られています。
セルフチェックのポイント
以下のような項目に心当たりがある方は、歯ぎしり・食いしばりの影響を受けている可能性があります。
• 朝起きたときに顎や首、こめかみのあたりがだるい、痛む
• 頬の内側や舌の縁に、歯の形をした圧痕がついている
• 家族から歯ぎしりの音を指摘されたことがある
• 詰め物や被せ物が以前よりも欠けやすい、外れやすい
• 歯の先端が平らにすり減ってきた
ナイトガードとは
ナイトガードは、就寝時に上下どちらかの歯列に装着するマウスピースで、歯ぎしり・食いしばりによる力を分散させ、歯や顎関節への直接的なダメージを和らげる役割があります。歯そのものを削って形を変える処置ではないため、比較的体への負担が少ない対策方法といえます。
歯型を採り、歯科技工所で個々の歯列に合わせて作製するため、市販のものに比べてフィット感が高く、違和感なく使い続けられるよう調整することができます。
保険診療と自費診療の違い
歯ぎしり・食いしばりによる歯や顎への影響がすでに認められる場合には、保険診療でナイトガードを作製できることがあります。使用する素材や作製工程が定められており、比較的短期間・低コストで用意できるのが特徴です。
一方、スポーツ用のマウスガードのようにより精密な適合や耐久性、装着感の良さを重視したい場合には、自費診療でより厚みや素材を調整したタイプを選ぶことも可能です。用途やご予算に応じて、どちらが適しているかをご相談いただければと思います。
定期的な調整も大切です
ナイトガードは一度作って終わりではなく、すり減りや変形がないか、フィット感が保たれているかを定期的に確認することが望ましいものです。違和感が出てきた場合や、割れ・すり減りが見られる場合は、早めにご相談ください。
「顎がだるい」「歯が欠けやすくなった」など気になる症状がある方は、一度お口の状態を確認させていただきますので、お気軽にお越しください。
監修者 鳥居 秀平 医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長
「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。
略歴
- 1994年 日本大学松戸歯学部卒業
- 1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
- 1998年 国立大学 東京科学大学大学 歯学部 文部教官
- 1998年 東京科学大学付属歯科衛生士学校 講師
- 1999年 国立大学法人 東京科学大学大学院医歯学総合研究科
顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官 - 2001年 北野坂鳥居歯科 開業
所属
- 日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
- アジア口腔インプラント学会 認定医
