歯科CT撮影の被ばくについて ― 正しく知って、安心して検査を受けていただくために|お知らせ

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歯科CTの被ばくは大丈夫?線量の目安と安心して検査を受けるためのポイント

歯科CT撮影の被ばく量(0.02〜2.0ミリシーベルト)と、日本平均・世界平均の自然放射線量、飛行機移動時の被ばく量を比較したグラフ

歯科CT撮影の被ばくについて ― 正しく知って、安心して検査を受けていただくために

「CTを撮ると聞くと、体への影響が心配……」という声を、診療の中でよく耳にします。放射線という言葉には、どうしても不安なイメージがつきまとうものです。今日は、歯科で行うCT撮影がどれくらいの被ばく量なのか、数字とともにわかりやすくご説明します。


私たちは日常的に放射線を浴びています

実は、私たちは特別な検査を受けなくても、宇宙や大地、食べ物などから自然に放射線を浴びて生活しています。これを「自然放射線」と呼びます。日本平均で年間およそ2.1ミリシーベルト、世界平均では2.4ミリシーベルトほどです。イランのラムサールという地域では、温泉水の影響で年間30ミリシーベルトもの自然放射線を浴びていますが、住民の健康に明らかな悪影響は確認されていません。
飛行機で東京からニューヨークまで移動するだけでも、上空では地上より宇宙線を多く浴びるため、片道でおよそ0.2ミリシーベルトの被ばくがあります。


歯科用CTの被ばく量はごくわずか

あご(歯・顎骨)のCT撮影による被ばく量は、機種や撮影範囲にもよりますが、およそ0.02〜2.0ミリシーベルトです。これは、日本人が1年間に自然界から受ける被ばく量(2.1ミリシーベルト)と同程度か、それよりも少ないことがほとんどです。ちなみに、胸部のCT撮影では6.9ミリシーベルトほどとされており、それと比べても歯科用CTの線量は格段に低く抑えられています。
医学的に「臨床的な放射線障害が起きないレベル」とされる被ばく量は100〜200ミリシーベルトとされており、歯科用CT一回の撮影はその数十分の一、数百分の一程度に過ぎません。日常生活で自然に浴びている放射線量の範囲内、あるいはそれ以下と考えていただいて差し支えありません。


なぜCTを撮る必要があるのか

インプラント治療や親知らずの抜歯、根管治療など、あごの骨や神経、血管の位置関係を正確に把握する必要がある場合、通常のレントゲン(平面画像)だけでは情報が不足することがあります。CTは立体的に骨の状態を確認できるため、治療の安全性と精度を高め、結果として不要な再治療や合併症のリスクを減らすことにつながります。つまり、CT撮影はごくわずかな被ばくと引き換えに、より安全で確実な治療を行うための大切な情報を得る手段なのです。


当院での配慮

日本歯科放射線学会の指針でも述べられているとおり、被ばく低減のためにもっとも重要なのは、撮影の必要性をきちんと見極め(正当化)、撮影条件を適切に設定すること(最適化)です。当院でも、必要最小限の範囲・条件で撮影を行うよう努めています。
また、防護エプロンについては、体の内部を通る散乱線そのものを防ぐ効果は限定的とされていますが、ご希望があれば装着いただけます。数値上の効果よりも、安心して検査を受けていただくための配慮とお考えください。


最後に

放射線と聞くと身構えてしまう気持ちは、とても自然なことです。ですが、歯科用CTの被ばく量は、飛行機での移動や自然界から日常的に受けている放射線と同程度か、それ以下のごくわずかなものです。ご不安な点があれば、撮影の前後を問わず、いつでもスタッフにお気軽にお尋ねください。正しい情報をもとに、安心して治療を受けていただけるよう、私たちも丁寧にご説明してまいります。
参考:全国歯科大学・歯学部附属病院診療放射線技師連絡協議会、資源エネルギー庁、日本歯科放射線学会防護委員会「歯科エックス線撮影における防護エプロン使用についての指針」(2015年)

監修者  鳥居 秀平  医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長

「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。

略歴

  • 1994年 日本大学松戸歯学部卒業
  • 1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
  • 1998年 国立大学 東京科学大学大学 歯学部 文部教官
  • 1998年 東京科学大学付属歯科衛生士学校 講師
  • 1999年 国立大学法人 東京科学大学大学院医歯学総合研究科
    顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官
  • 2001年 北野坂鳥居歯科 開業

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
  • アジア口腔インプラント学会 認定医