フルオロボンド シェイクワン ―「くっつける」だけで終わらないボンディング材―|お知らせ

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フルオロボンド シェイクワン ―「くっつける」だけで終わらないボンディング材―

フルオロボンド シェイクワン ―「くっつける」だけで終わらないボンディング材―

フルオロボンド シェイクワン

 

白い詰め物を歯に留めるとき、歯とレジンの間をつなぐ「ボンディング材」が欠かせません。目には見えない薄い層ですが、詰め物を歯になじませ、すき間ができにくい状態を目指すための大切な材料です。当院では歯の場所や状態に応じて、松風のフルオロボンド シェイクワンを選択することがあります。

 

フルオロボンド シェイクワンとは

これは、2つの液を混ぜて使うワンステップ型の接着材です。一般的な接着システムには、歯面を酸で処理する「エッチング」、下地を整える「プライマー」、接着する「ボンド」を別々に行うタイプがあります。一方、シェイクワンは歯質を整える働きと接着の働きを一つの混和液で担うため、前処理をまとめられます。液を歯面全体になじませ、薄く広げてから光で固めることで、レジンを受け入れる下地をつくります。

もう一つの特徴は、フッ素を少しずつ放出する「フッ素徐放」と、口腔内から取り込んだフッ素を再び放出する「リチャージ」の機能です。フッ素は、歯が酸で溶けにくくなることを支える一要素です。ただし、接着材のフッ素だけでむし歯を防げるわけではありません。毎日の清掃、フッ化物配合歯磨剤、定期的な管理を重ねることが大切です。

 

一般的なボンドとの違いは?

ボンディング材に「これが普通」という一種類があるわけではありません。工程を分けて丁寧に処理するタイプ、1本で使えるタイプなど、それぞれに適した場面があります。シェイクワンは、工程をまとめながらも2液を混ぜて使い、フッ素徐放を特徴としている点が異なります。単に「接着が強い・弱い」で比べるものではなく、歯の残り方や水分の影響まで見て、使い分ける材料です。

とくに、歯ぐきに近い根元のむし歯(根面う蝕・歯頸部う蝕)では、唾液や歯肉からの水分の影響を受けやすくなります。また、深いむし歯で歯の神経を守るために削る量を慎重に判断したい場合や、軟らかくなった象牙質をすべて取り除くことが難しい場合にも、選択肢の一つになります。

 

どのようなときに使うのか

当院では、根元に近い小さな欠損をレジンで補うとき、唾液の管理が難しい部位、象牙質が広く露出した修復などで検討します。「水分に強い材料」だからといって、防湿が不要になるわけではありません。治療中はラバーダムや吸引などで唾液を丁寧に管理し、そのうえで材料の特性を活かします。

また、シェイクワンは「むし歯を残してよい」ことを意味する材料ではありません。むし歯をどこまで除去するか、神経に近い部分をどう保護するかは、レントゲンや歯の状態を踏まえて別に判断します。深いむし歯では、歯髄を守るための材料を併用することもあります。

 

患者さんにとってのメリット

工程を整理できることで、限られた治療時間の中でも接着操作を安定して行いやすくなります。フッ素の働きも含め、詰め物の周囲を長く健康に保つことを目指せる点がメリットです。もちろん、歯の残り方、噛み合わせ、むし歯のリスク、確実に防湿できるかによっては、別の接着材や治療法のほうが適することもあります。過去に歯科用レジンでかぶれなどがあった方は、事前にお知らせください。

 

詰め物の治療では、どの材料を使うかだけでなく、むし歯を丁寧に取り除くこと、防湿、噛み合わせの調整、毎日のケアまでが大切です。気になる症状や治療方法については、お気軽にご相談ください。

監修者  鳥居 秀平  医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長

「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。

略歴

  • 1994年 日本大学松戸歯学部卒業
  • 1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
  • 1998年 国立大学 東京科学大学大学 歯学部 文部教官
  • 1998年 東京科学大学付属歯科衛生士学校 講師
  • 1999年 国立大学法人 東京科学大学大学院医歯学総合研究科
    顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官
  • 2001年 北野坂鳥居歯科 開業

所属

  • 日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
  • アジア口腔インプラント学会 認定医