3Dプリンターで変わる歯科治療|より精密で再現性の高いものづくりへ

3Dプリンターで製作した部分入れ歯用個人トレー
歯科治療では、被せ物や入れ歯、手術に使用する模型など、患者さん一人ひとりのお口に合わせた製作物が数多く使われています。近年、その製作を支える技術として注目されているのが3Dプリンターです。
今回は、兵庫県最大規模の歯科技工所である株式会社六甲歯研の歯科技工士・上垣さんに直接お話を伺いました。当院理事長の鳥居秀平先生は、約10年前に六甲歯研へ毎日のように足を運び、スタッフの皆さんと親交を深めてきました。そのご縁は現在も続いており、今回も情報提供にご協力いただきました。
3Dプリンターで作る部分入れ歯用の個人トレー
写真は、部分入れ歯を作る際の精密な型取りに使用する「個人トレー」です。患者さんのお口の形に合わせて設計し、3Dプリンターで製作しています。
現在、歯科のデジタル加工では、コンピューター上で設計し、材料を削り出すCAD/CAMが一般的です。一方、3Dプリンターは、データをもとに材料を少しずつ積み重ねて形を作ります。
大きな利点は、保存した設計データから同じものを何度でも再製作できることです。必要な部分だけを修正し、調整したうえで作り直すこともできます。
ただし、機械だけで良い製作物が完成するわけではありません。歯科技工士が患者さんのお口の状態を考えて設計を調整し、熟練した手作業による仕上げと組み合わせることで、より精度の高い治療につながります。
入れ歯以外にも広がる活用
3Dプリンターは、インプラントの上部構造や、オールセラミック・ポーセレンの被せ物を製作する際の作業用模型にも使われています。
また、顎の骨を切る外科手術では、骨の形や手術部位を立体的に確認するための参考模型を製作します。一定の条件のもと保険診療でも扱われるようになり、活用の機会が増えています。
入れ歯の製作では現在もCADによる設計が中心で、被せ物ほど3Dプリンターの活用は進んでいません。しかし今後、材料や機器がさらに発展すれば、3Dプリンターによる入れ歯の設計・製作が主流になる可能性があります。
歯をなるべく削らない治療への応用
六甲歯研とは別の取り組みですが、株式会社アミデックスでは、3Dプリンターなどのデジタル技術を活用したコンポジットレジン治療用の型枠「Amidex®」を開発しています。
健康な歯をできるだけ削らず、治療の精度と再現性を高めることを目指した新しい仕組みです。
詳しくは、株式会社アミデックスのホームページをご覧ください。
https://amidex.co.jp/
当院でも、デジタル技術と歯科医師・歯科技工士の経験を組み合わせ、患者さん一人ひとりに合った治療を提供できるよう努めてまいります。
当院のコラム一覧はこちら
https://www.azabujuban-oralcare.jp/blog/
監修者 鳥居 秀平 医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長
「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。
略歴
- 1994年 日本大学松戸歯学部卒業
- 1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
- 1998年 国立大学 東京科学大学大学 歯学部 文部教官
- 1998年 東京科学大学付属歯科衛生士学校 講師
- 1999年 国立大学法人 東京科学大学大学院医歯学総合研究科
顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官 - 2001年 北野坂鳥居歯科 開業
所属
- 日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
- アジア口腔インプラント学会 認定医
